少々前の話であるが、麻生自民幹事長が株式の譲渡益・配当所得について非課税枠を導入すべき、という見解を示したことを知った。以下引用。
<麻生幹事長>300万円以下の株、配当と譲渡益無税検討
8月9日22時10分配信 毎日新聞
自民党の麻生太郎幹事長は9日、札幌市などで講演し、景気対策について「株式300万円から出る配当や株式の譲渡益を無税にする。政府は1円も使わず、日本中の株の評価が上がり、資産が増える」と語り、300万円以下の株式を1年以上保有した場合の配当と譲渡益を非課税にすべきだとの考えを示した。あわせて、住宅取得を促すための減税や、設備投資の減税も検討すべきだとの考えも明らかにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080809-00000118-mai-pol(引用終わり)
今朝たまたまテレビを見てたら、タレントの北野誠がこのことについて「日本株、とりわけ新興市場については70%も下落している。配当税率を引き下げたところで貯蓄から投資へ資金が流れるはずがない」といった趣旨の発言があった。
確かに、こうした優遇策でもって日本の株式市場に資金が流入し、株価が上昇するとの考えは短絡的に過ぎる。このことを実現するにはもっと他にやるべきことがあろうと突っ込みたくなるが、一方でやや一面的な批判とのそしりも免れないであろう。
配当については、「二重課税」という根本的な問題がある。すなわち、法人税としてすでに税金として課せられたあとに、その配当金に所得税として課税されているからだ。
このことについては、諸外国において様々な対応がとられている。フランスやドイツで採用されている総合課税制度や、イギリスのように法人の算定に当たって配当金に対する所得税分を考慮するインピュテーション方式などがそれだ。
もっとも、これらの方法によっても二重課税問題が解決したとは言えないが、マネーのグローバル化が進む中、証券税制に対する日本の対応が遅れているという指摘もある。今回の麻生幹事長の発言は決して真新しいものではなく、平成19年8月に金融庁が発表した平成20年度税制改正要望項目にも記されている内容に相通じるものがある。
そういう意味では、税制改正とりわけ減税策が選挙用のプロパガンダとして優先され、長期的な視野に立脚せず、税制の一貫性を失している、との趣旨においてテレビでの批判を展開するなら、まだ理解できる。
しかし、テレビという公共性のある場で発言する者としては、知ったような顔して物事を皮相的に捕らえるのではなく、その事象にある根本的な課題と絡めて指摘する知識・資質ぐらいは、最低限求められる義務なのではないだろうか。
いずれにしても日本の財政問題という懸念もあるが、株式で資産運用を図る者にとってこうした証券税制優遇はうれしい話だ。配当金の損益通算といった税制改正も含め、今後の展開に注視したいと考える。
テーマ : 株式投資 - ジャンル : 株式・投資・マネー
コメントの投稿